腰痛
腰痛
症例2
患者
40代 男性
症状
腰とお尻からももの裏の痛み。
普段デスクワークで腰の重だるさは感じてはいたが、朝起床してから突然、お尻からももの辺りが痺れと共に痛くなる。
数日後、整形外科受診。レントゲン、MRIにて特に異常なし。
その後、痛みはますますひどくなり、座っているのも辛く、思わず立ち上がるほど。立ち上がっても楽にはならないが、気がまぎれる程度。
上後腸骨棘(じょう こう ちょうこつ きょく)周囲の痛み、座っていて立ち上がっても痛みが薄れることがない、坐骨神経に沿ったような痛み痺れではなく、漫然とした何となくのお尻からももの裏の違和感、痛みのある方を下に横になれない。
これらの症状で最も疑わしいのは、「仙腸関節障害」(せんちょう かんせつ しょうがい)と言われるもの。
仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節で、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。仙腸関節(せんちょうかんせつ)は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています。日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元から脊椎のバランスをとっていると考えています。中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。
施術
特徴的な症状の一つである、上後腸骨棘の痛みに対する針だけでも、痛みは治まることは多いのです。
しかし、上半身と下半身の連動性の中で、土台となる関節なだけに、周りの筋肉の動き(収縮)による影響も大きく、仙腸関節だけの治療だけで改善しないこともしばしば見受けられます。
そのため、仙腸関節及びその周囲への鍼灸によって、仙腸関節に負担が掛からないように、腰回りの動きの改善を目的に施術。
週1~3回の治療を重ね10回の施術で、6~7割ほど痛みは軽減。
「まったく違和感がないということはないが、仕事で座っていても、4~5時間は座っていられるようになった。」とのこと。
まとめ・術後禄
この方が本当に望んでいる「施術に対する希望」は何か?
話を伺いながら考えたときに、痛みのある腰痛の解消はもちろんですが、最も優先する問題は、「仕事を休まなくてはいけないのではないか。。。」と言う不安の解消です。
「とにかく仕事を休まなくても済むように、更に、痛みを抑えられるように」に主眼を置いて施術しました。
仕事を休みながら治すのと、仕事をしながら治すのとでは施術の量も回数も変わってきます。
私たちは、常にその方にとって、一番良いと思えることを考えています。(独り善がりに成らないように気を付けながら)
それは得てして、患者さんの考えや想いとは食い違うこともしばしばです。
休んでほしい。。。休めばもっとよくなるのに。。。そう思うことも多いです。
分かっていても休めない現実の中で、その中で最善と思える身体の状態を目指して、私たちは施術を心がけています。
症例1
患者
30代 男性
症状・経過
仕事柄重いものを持つことが多く、仕事を始めてから腰の重さが取れない。
ぎっくり腰のようなことは無いが、ぎっくり腰になりそうな感じがする。
鍼灸は初めて。
治療
身体を後ろに反らせるのが辛く、ただ座っているだけで不安定な感じがする。
左の腰に強い緊張がある。痛む場所を触ってみると、左右差が強く痛むほうが強く緊張している。
何もしなくても腰に不安定な感じがあると言うことなので、痛む場所にうまく力が入らず周りの筋肉が支えて、強張っている状態と考え、背中から痛いと感じる部分に掛けて、筋肉の強張りを取るように施術。
施術後、体に芯が通った感じがし、そるのも楽になるが、今度は、お尻の方(尾骨辺り)に違和感を感じる。
患部に浅く鍼を刺して、動きを確認してもらうと違和感は消失している。
まとめ・術後録
強いコリがあるとき、得てして、その部分の筋肉が上手く機能していないために、動きを邪魔してしまって、周りの筋肉に負担を掛けている事があります。
コリをほぐすことで周りとの連携が取れ、動きが楽に行えるようになったものと思われます。
尾骨周辺には、身体を動かすポイントになるような所があって、ここに浅く鍼を刺すだけで、動きが劇的に改善することが多いようで、いつも施術していて、その効果に驚いてしまいます。